はてさて(旧:二人合わせて130歳、40周年、80日間、世界一周)

旅行の記録は(http://nsw2072.blogspot.com)に移りました。

131021 巨木の旅

 とにかく巨木が見られるツアーに行きたいと、昨日港のインフォメーションで相談をして、ちょっと高いけれど、申し込みました。

 朝7時半に宿の前にくるといっていたドライヴァー&ガイドのスティーブは私よりも少し年上ですが、話を聞いていると根っからのトラヴェル・コーディネーターで、しょっちゅうお客を募って海外へ出かけているんだそうです。朝早くから大変ですね、といったら、いやなに、通りの反対側に住んでいるので、今日は楽だというのです。今日の旅は全行程600km、13時間という長丁場ですが、このおっさん、TOYOTA RAV4でガンガン飛ばします。
 本来なら最小催行人数4人なんだけれど、こっちの方へはここ三ヶ月間一度も行っていないから引き受けたのさとおっしゃる。まずAucklandを出て、北上する間にこの国の歴史を簡単に説明してくれました。一生懸命わかりやすく話してくれます。彼が地元の人と普通に話したら、私はついていけません。
 国道一号線をひたすらあがっていきます。

f:id:nsw2072:20131021063542j:plain
 MatakoheにThe Kauri Museumという施設があります。Steiveがやたらとここはすごいんだぞ、というので最初は眉唾でした。そういう触れ書きはどうも怪しい。ところが行ってみてわかったのは、この施設は周囲の住民がこぞって協力をしてもの集めをし、今でも後から後から人々の協力で運営されているのだそうです。

 中に入ってみると初期の頃のNew Zealandの暮らしの様子やら、巨木Kauriの切り出し、製材、琥珀の掘り出しの様子等が人形を使って展示されていて、この辺りはなんだかなぁなのだけれど、ことKauriについては驚くべき展示です。もちろん私がKauriについて何の知識も持っていなかったこともありますが、米国のセコイア、豪州タスマニアのヒュオン・パインとは異なる種でありながら、その成長の遅いこと、巨大化することでは共通する点が多々あります。

 巨木といえば屋久杉を思い浮かべますが、両者は2009年に思いも依らない「木の提携」を結んだんだそうです。知ってた?私は全く知りませんでした。

 ここのCEOのBetty Nelleyを紹介されましたけれど、彼女は屋久島へ行き、12時間かけて縄文杉に逢いにいったのだそうです。元気なおばさんやなぁ。彼女が「これはまだ誰にもいってない」といってみせてくれたのがこれです。
f:id:nsw2072:20131021054111j:plain
f:id:nsw2072:20131021054059j:plain
 ただ単なる気温のデジタル記録かな?と思ったのですが、実は事務所の前に植えられている数十年経ったKauriにセンサーが取り付けられていて、時間変化による幹の直径を表示しているのだというのです。どういうことなのかというと、昼に膨らんだ直径は夜になると収縮するというのです。それを繰り返しながらほんのわずかに太くなるのだと。


f:id:nsw2072:20131021061301j:plain
 多分わかりにくいと思いますが、展示してあったKauriの年輪です。一番内側についている矢印が1442年。次が1769年。クック船長が初めてNZに来た年です。次が1840年ワイタンギの覚え書き。一番手前がNZ人のエドモンド・ヒラリーがエベレストに登頂した年、1953年です。遅い成長!

f:id:nsw2072:20131021054535j:plain
 土中に埋もれていたKauriをSWAMP Kauriと呼んでいますが、これはなんと放射性炭素測定によると3.6万年埋もれていたのだそうです!見当がつかないよ。

f:id:nsw2072:20131021054928j:plain
 この施設の中にはKauriを磨いて作った様々なもので溢れんばかりでございますよ。そんなにおかなくても良いだろうといいたくなりますが、実に貴重なものばかり。


f:id:nsw2072:20131021061215j:plain
 こちらはバター製造用の回転タンクなんだそうで、良くこんなものが残っていたなぁと思いますが、今となっては貴重なんでしょうねぇ。


f:id:nsw2072:20131021061335j:plain
 これはなに?と聞いたら、普通だったら「牛馬の水飲み」と答えそうですが、「風呂桶」と書いてあります。なるほどなぁ。それにしても固い木なんだからここまで彫るのも用意じゃなさそう。
 まっすぐにのびる固い木の使い道として理想的だったのは船のマストだったのだそうです。どんどん伐採されたのは現状を見ればよくわかります。1929年の世界大恐慌の際にNZ政府は仕事を創設するために伐採された後に米松の植林を進めたのだそうで、それが残っています。その後はこれが成長が早くて製紙原料としてより良いとされるユーカリに置き換えられているのだそうです。これはスティーブの情報。

f:id:nsw2072:20131021062534j:plain
 ところで展示室で何人ものおば樣方が集まって何やら準備中です。なんだろうといってみると、キルト展の展示準備です。うちの連れ合いの趣味がこれで、まさにピッタンコ。みなさんと交流することができて、大喜びです。中には子どもが日本人と結婚して日系の孫が日本にいるという人もいたり、日本の布を使って作っている人たちもいて、大いに話が盛り上がりました。日ニュ民間交流!
f:id:nsw2072:20131021060830j:plain

 一休みしようと近所にあるカフェへ。マフィンとフラットホワイトを頼んだら看板猫が近寄ってきます。
f:id:nsw2072:20131021064257j:plain

f:id:nsw2072:20131021134728j:plain
 Waitangiを離れて、どこかでトイレに寄ろうといったら、Stieveがちょっと走った街に面白いトイレがあるからそこへ寄ろうというのです。それがこのトイレです。ほぉ、これは面白いけれど、まるでフンデルト・バッサーじゃないの、といったら、そうだよ、そのフンデルト・バッサーなんだよ!というのです。驚きですよ。まさかこんな(といっては失礼だけれど)田舎で彼のデザインのトイレに遭遇するとは!ウィーンで彼がデザインしたアパルトマンを見たことがありますが、ものの見事に彼の色です。トイレだけではなくて、その向かいにも彼の手に依ると思われる家があります。
f:id:nsw2072:20131021135013j:plain

 この辺りにはNew Zealandで最初の鉄道が通っていたそうで、今でもレールがあります。今はもう寸断されてしまっていますが、時としてボランティアの人たちがSLを走らせているらしいのは英国と同じです。何でも最初走らせたときには線路脇の枯れ草が燃え上がってその筋におこられたそうです。

にほんブログ村 旅行ブログ 夫婦世界一周へ
にほんブログ村